港南区版 災害時要援護者支援の手引き 災害から地域をまもる仕組みづくり 「もしも」のために進めよう 地域の見守り・支えあい 1ページ 私たちの住む地域には、大地震などの災害が発生した時に、自力で避難することが難しい方が暮らしています。 また、災害で怪我を負い、支援が必要になる可能性は誰にでもあります。 災害による被害を減らすには、日頃からの備え(自助)と地域での助け合い(共助)が欠かせません。 日頃からの地域の関係づくりが大きな防災力となって、いざというときの助け合いにつながります。 どんな人に対する支援が必要? 災害時、障害者、高齢者、妊産婦、乳幼児、外国人、災害で怪我をして避難が困難な人などは、避難誘導や避難生活などで支援が必要となります。 このような方々を「災害時要援護者」といいます。 災害時要援護者の安全を確保するためには、周りの人たちが理解し、安否確認、避難支援などの手助けをすることや、避難等で生活に配慮をしていただくことが必要です。 地域の助け合いが大切なのはなぜ? 阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震など、過去の大きな災害では、生き埋めや建物に閉じ込められた人の大半が自助・共助により助けられました。 災害の被害を最小限にするためには、地域の支えあいが重要です。 グラフ 阪神・淡路大震災で人命救助された人の内訳 出典 一般社団法人 日本火災学会・兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書 自力で 34.9% 家族に 31.9% 友人・隣人に 28.1% 通行人に 2.6% 救助隊に 1.7% その他 0.9% 阪神・淡路大震災の人命救助の約六割は共助によるもの 共助 地域で支えあう 初期消火、救出救護、避難支援など 2ページ いつもの備え 平常時の支援の例 マル1 まずは話し合ってみる 勉強会などを開催し、取組の重要性を学ぶ 取組や活動の内容を検討する 地域の会合のイラスト 吹き出し1 地域の課題はなんだろう? 吹き出し2 避難場所とその経路は? マル2 支援が必要な人を把握する 日頃からの地域の関係を活かして、災害時に支援が必要となる人を把握する 地域で支援を希望する人に申し出てもらう、行政が保有している情報をもらうなど、さまざまな方法があります(詳しくは4ページ) 車いすに乗った女性のイラスト 点字ブロックの上を歩く男性のイラスト マル3 日頃からの関係を作っておく 回覧版のお届けなどを兼ねて訪ねてみる カーテンや窓の開閉、ポストの郵便物など、生活サインを活用した見守り活動を行う 自治会などで開催する地域の行事などに声をかける 食事をしている高齢者のイラスト 吹き出し 一人暮らし高齢者を対象にした食事会を開催している地域もあります マル4 災害時を想定した備え 避難時に支援する人、支援の方法を決めておく 要援護者を含めた訓練を行う 備蓄の準備や、家具等の安全対策など、自助を促す 家具の転倒防止策のイラスト 備蓄と防災訓練のイラスト 地図を見る家族のイラスト 吹き出し 地図上で、まちの危険個所や避難経路などを検証するのも有効です もしもに活かそう 災害時の支援の例 マル1 安否確認と救出救護 安否の確認の際、安否確認済みの情報を玄関等に掲示する 要援護者が目印のタオルやリボン、バンダナなどを玄関等に掲示する リボンのイラスト 吹き出し タオルやリボンを玄関に掲示することで「無事です」の目印にできます マル2 災害の情報を伝達する 目や耳の不自由な方にもわかるよう、避難などの災害情報を伝える 手話をする人のイラスト 吹き出し 耳の不自由なかたには手話のほか、スマートフォンの文字入力画面を使って、情報を伝えることもできます コミュニケーションボードのイラスト 吹き出し 障害などで言葉での意思疎通が困難な方には、絵図を用いた意思疎通を行います 「災害用コミュニケーションボード」で検索 マル3 避難所への誘導、避難生活の支援 車いすなど、要援護者の状況に応じた避難誘導を行う 要援護者に配慮したスペースを確保する 避難所にいる家族のイラスト 吹き出し 段差の少ない場所やトイレに近い場所、集団で過ごすことが苦手な人のためのスペースなどを確保します 3ページ 港南区では、各地域の状況に応じて、ご相談をお受けしております Q&A Q 取組を始めてみたいけれど、まず何をしたらいいのでしょう? A まずは地域で勉強会や検討会などを開催し、地域の災害時の課題を共有したり、どのような活動を行っていく必要があるかなどを話し合ってみましょう。進め方がわからない場合は、区役所にご相談ください。 Q 災害時に必ず支援できるとは約束しにくいです。自分や家族が怪我をすることも考えられます。 A 災害時要援護者の取組は、地域の共助の取組であり、できる範囲で支援をお願いするものです。また、責任を伴うものではありません。ご自身とご家族の安全が確保されてから、無理のない範囲でご協力をお願いします。 Q 既に地域で支援が必要な人の名簿を作成していますが、把握が不十分であると考えます。 A 区が保有する要援護者の情報を、自治会町内会等に対して提供する制度があります。(4ページ参照)地域で把握していなかった要援護者が把握できる可能性があります。また、提供する名簿は、区が更新作業を行います。 Q 名簿の個人情報はどのように取り扱えばいいのでしょう? A 自治会町内会の会員名簿と同様に、保管場所や管理者などのルールを決めて、大切に取り扱うよう、お願いいたします。 Q 地域には高齢者が多く、必要な支援ができるかわかりません。 A 災害時に、主に地域にお願いする作業は、力作業ではなく、安否確認や情報伝達などで、特別な技術や資格が必要なものではありません。地域の実情に応じて、できる範囲での取組をお願いします。 4ページ 地域に暮らす要援護者の把握方法など 地域での取組例 地域で要援護者に申し出てもらう 取組を地域に周知し、災害時に支援を希望する人に申し出てもらうことで把握します。 取組に関する説明会を開催したり、回覧板や掲示板を活用したりして、内容を周知します。 自治会町内会や民生委員、老人クラブなど地域のネットワークを活用し、顔見知りから声をかけたり、敬老祝い品の贈呈の機会などに合わせて働きかけたりする方法もあります。 向こう三軒両隣の関係を活かす 隣り合う5軒から10軒程度を一つの単位として、グループ内の要援護者の情報を共有します。 日頃から行き来の容易な少人数世帯でグループを作ることで、災害時にはすぐに安否確認等が行えます。 区役所が保有している情報を活用する方式 区役所から対象となる要援護者に通知して、情報の提供を拒否しなかった人の個人情報について、区役所と協定を締結した自治会町内会等に提供します。 情報を提供することに同意した人のみの名簿を提供する方式もあります。 フロー図 マル1 区役所から対象の要援護者(高齢者、障害者など)へ、個人情報を自治会町内会に提供することを事前通知 マル2 対象の要援護者から区役所へ、個人情報を提供することを望まないかたは拒否の申し出 マル3 区役所から自治会町内会などへ、個人情報を提供することを拒否をしなかった方の名簿を提供 マル4 名簿の提供を受けた自治会町内会などは、日頃の関係づくりや見守り活動、発災時の安否確認などに活用します ご相談、お問い合わせは 港南区役所福祉保健課運営企画係 郵便番号 233−0003 横浜市港南区港南四丁目2番10号 電話番号 045−847−8432 ファックス番号 045−846−5981 平成29年6月発行