第59回横浜市発達障害検討委員会会議録 日  時 令和6年9月5日(木)午後6時30分〜午後8時30分 開催場所 市庁舎18階会議室 みなと6・7 出 席 者 渡部委員、日戸委員、冢田委員、高橋委員、齊藤委員、阿部委員、桜井委員、 池田委員、伊原委員、平下委員 欠 席 者 なし 開催形態 公開(傍聴者:1名) 議  題 (1)令和6年度 横浜市発達障害検討委員会の検討内容について 【資料1】 (2)発達障害児・者に係る施策の取組について   ア 発達障害者等及び家族等への支援体制の確保に係る取組の実施について 【資料2】   イ 地域療育センターにおける事業の実施について 【資料3】   ウ 学齢後期障害児支援事業の実施状況について 【資料4】   エ 横浜市立高等学校における「通級による指導」について 【資料5】   オ 「世界自閉症啓発デー in 横浜2024」について 【資料6】 決定事項 議  事 開 会 (1)事務局あいさつ (大野係長)それでは、定刻となりましたので、始めさせていただきます。  ただいまから第59回横浜市発達障害検討委員会を開催いたします。本日進行を務めます健康福祉局障害施策推進課の大野でございます。よろしくお願いします。着座にて進めさせていただきます。  本日の会議ですが、横浜市附属機関の会議の公開に関する要綱に基づき公開ということで扱わせていただきます。傍聴者の方は1名いらっしゃいます。議事に先立ちまして、傍聴人の方にお伝えいたします。受付で会議の円滑な進行を図るために何点かお願いしておりますので、ご協力どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、本日の出席者数の確認をいたします。本日の会議は10名の委員が出席しております。横浜市発達障害検討委員会運営要綱第5条第2項に規定されております委員の過半数を満たしていることをご報告いたします。  では、初めに、健康福祉局障害福祉保健部長の君和田からご挨拶申し上げます。 (君和田部長)皆様、こんばんは。健康福祉局障害福祉保健部長の君和田でございます。本日は大変お忙しい中、夜分にもかかわらずご出席いただきまして誠にありがとうございます。  本委員会でございますが、市内の発達障害児・者につきまして、各ライフステージに対応する支援体制の整備を図り、また、発達障害児・者の福祉の向上を図ることを目的として、協議の場として位置づけているところでございます。委員の皆様におかれましては、今年度から新たな任期になっております。新しくご就任いただいた方、並びに引き続きの方もおられますけれども、改めまして、委員ご就任をお受けいただき誠にありがとうございます。感謝申し上げます。  横浜市では令和2年6月に、横浜市障害者施策推進協議会から横浜市長に対し、軽度の知的な遅れを伴う、あるいは伴わない発達障害児・者への総合的な支援に関する答申が提出されまして、本市ではこの答申で示されたご提言に基づき、各種の取組を進めているところでございます。これら施策展開の取組状況等についてご報告させていただいた上で、委員の皆様それぞれのお立場からご意見を頂戴して、それらを本市の施策に生かしてまいりたいと考えているところでございます。委員の皆様におかれましては、本日もご活発な議論により、各方面からの貴重なご意見を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが冒頭の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 (大野係長)ありがとうございます。それでは、お手元の資料の次第に沿って進めさせていただきます。 (2)委員・事務局の紹介 (大野係長)  議題に入る前に、7月17日付で委員委嘱をさせていただいていることをご報告いたします。委嘱状につきましては、本日、席上に配付させていただいておりますので、お持ち帰りいただければと思います。  今回、新たに委員にご就任いただいた方は4名いらっしゃいます。資料を1枚おめくりいただきまして委員名簿をご覧ください。2番の日戸様、4番の高橋様、9番の伊原様、10番の平下様に、新たに就任いただいております。本日は、委嘱後、初回の検討委員会ということで、委員の皆様から自己紹介という形でご挨拶を簡単に頂ければと思います。席順にお願いできればと思います。今、マイクをお持ちします。 (桜井委員)番号7番ですね。横浜市発達障害者支援センターのセンター長の桜井です。昨年度に引き続き委員をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 (伊原委員)神奈川LD等発達障害児・者親の会にじの会の伊原文恵です。坂上に代わりまして今回から副代表の伊原が参加させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 (平下委員)番号10番の横浜市自閉症協会会長の平下と申します。前会長の中野から引き継ぎまして今年から委員を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 (阿部委員)番号6番にあります地域活動ホームガッツ・びーと西所長の阿部と申します。前回に引き続き委員をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 (渡部委員)番号1番の横浜国立大学の渡部と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 (日戸委員)番号2番の相模女子大学の日戸由刈といいます。今回から初めて参加させていただきます。どうぞよろしくお願いします。 (冢田委員)番号3番の横浜高等教育専門学校の冢田と申します。前回に引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 (高橋委員)番号4番になります。横浜市東部地域療育センターの高橋と申します。精神科医です。今回初めて参加させていただきます。高木一江先生の後任となりますので、よろしくお願いいたします。 (齊藤委員)昨年に引き続いてお願いいたします。番号5番の横浜市北部地域療育センターの齊藤と申します。よろしくお願いします。 (池田委員)私は、8番のよこはま若者サポートステーションの池田と申します。働きづらい若者の就労支援をしておりまして、知的障害を伴わない発達障害の方やグレーゾーンの方をたくさん支援しています。以上です。よろしくお願いします。 (大野係長)ありがとうございました。  次に事務局のご紹介を、名前を読み上げる形になりますけれども、時間の都合上、課長級以上のご紹介とさせていただきます。4ページをご覧ください。  まず、冒頭にご挨拶申し上げました健康福祉局障害福祉保健部長の君和田です。  障害施策推進課長の中村です。  精神保健福祉課長の中村です。  企画課長の松村です。  続きまして、こども青少年局こども福祉保健部担当部長の柴山です。  総務部医務担当部長、こども保健医務監の岩田です。  保育・教育支援課人材育成・向上支援担当課長の八木です。  企画調整課長の柿沼です。  続いて、教育委員会事務局インクルーシブ教育担当部長の西野です。  特別支援教育課長の金井です。  特別支援教育相談課長の小池です。  以上が事務局となります。よろしくお願いいたします。 (3)委員長及び職務代理者の選出 (大野係長)それでは、議題に先立ちまして、初回になりますので、本委員会の委員長を選出させていただきます。本検討委員会の委員長は、横浜市発達障害検討委員会運営要綱第4条によりまして、委員の皆様からの互選により決めると定められております。どなたかご意見もしくは推薦者がいらっしゃればお願いいたします。 (阿部委員)前回も渡部委員にやっていただいていたので、もしよければぜひ渡部委員にお願いできたらと思いますが、いかがでしょうか。 (拍手あり) (大野係長)ありがとうございます。では、渡部委員にお願いできればと思います。それでは、渡部委員は委員長席のほうにご移動願います。 (渡部委員、委員長席に移動) (大野係長)渡部委員、何か一言頂ければありがたいのですが。 (渡部委員長)頑張りましょう。 (大野係長)急にすみませんでした。  それでは、次に職務代理者を選出いただきたいと思います。こちらも運営要綱の規定により、あらかじめ委員長が指名するものとなっておりますので、委員長、よろしくお願いいたします。 (渡部委員長)これまでの経緯ということもありますので、桜井委員にお願いできたらと思いますが、委員の皆様、いかがでしょうか。 (拍手あり) (大野係長)ありがとうございます。それでは、職務代理者につきましては桜井委員にお願いいたします。  それでは、ここから進行につきましては渡部委員長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 議 題 (1)令和6年度 横浜市発達障害検討委員会の検討内容について【資料1】 (渡部委員長)それでは、本日の議題に入ってまいります。まず、本日の1つ目の議題は、令和6年度横浜市発達障害検討委員会の検討内容についてになります。事務局からご説明いただいてよろしいでしょうか。 (大野係長)それでは、5ページ、資料1をご覧ください。今回、冒頭申し上げたとおり新たにご就任いただいている委員の方もいらっしゃいますので、改めて、ご説明させていただきます。  まず、1番の横浜市発達障害検討委員会についてです。当委員会の位置づけについて説明いたします。  当委員会は、市内の発達障害児・者について、各ライフステージに対応する支援体制の整備を図り、発達障害児・者の福祉の向上を図ることを目的とした協議の場です。横浜市障害者施策推進協議会運営要綱第5条に定める横浜市障害者施策推進協議会の部会として、平成17年から設置しているものになります。  次に2の検討内容についてです。(1)平成30年度以降の検討内容についてです。まず、平成30年度から令和元年度について、平成30年度の当委員会では、増加する「軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児・者」をテーマとして、その施策の方向性について議論し、報告書を作成しました。令和元年度には、報告書を受け横浜市長が、対象児・者への具体的施策の展開について諮問し、これについて当委員会で答申作成のための議論を行いました。答申につきましては、「軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児・者への具体的施策の展開について」として、令和2年6月に提出されています。本日は委員の皆様のお手元にご用意しておりますので、必要によりご参照いただければと思います。  答申の概要について、資料に沿ってご説明いたします。本答申では、横浜市が対象児・者への施策を展開するに当たりヒントとなる視点を、以下のとおり「横浜市発達障害施策の再構築に係る方向性」として掲げた6大項目・15小項目ごとにまとめて示しています。  ローマ数字のTから読み上げます。本人への支援ということで、1、本人がその人らしく生きるための支援の充実。2として、当事者の居場所の充実。3として、二次障害(ひきこもり等)への対応力向上。4として、成人期の課題に対する、本人支援の充実となっております。ローマ数字Uとして、保護者及び家族への支援。1として、保護者及び家族に対する支援の充実。ローマ数字Vとして、支援機関の連携と役割分担。1として、支援機関の役割分担の明確化等による、効果的・効率的な対応。2として、ライフステージを通し、切れ目のない支援を行うための、コーディネート機能の強化。3として、医療と福祉の連携強化とネットワークの拡充。4として、サービス情報提供システムの充実。ローマ数字Wですけれども、支援体制の強化・充実。1として、就学前の対象者数増加に対する、支援体制の拡充。2として、教育と福祉の連携等による、学齢期支援の強化。3として、学齢後期における、支援の量的拡大と質的な向上。  6ページに移っていただきまして、ローマ数字Xで人材育成の1、発達障害に関する支援力を身につけた支援者の養成。ローマ数字Yで、障害理解の促進・普及啓発。1として、地域社会における共生の実現に向けた、社会全体の意識醸成。2として、特に教育・就労の場面における、本人を取り巻く周囲への理解促進という項目を挙げさせていただいております。  ※に記載がございますが、【喫緊】ということで幾つか文末に書かれていたと思います。こちらにつきましては、全ての施策を一挙に実現することは現実的に困難ということで、【@重要性】【A緊急性】【B難易度(マンパワー・費用・時間の側面から)】の3つの視点を総合的に勘案した上で、特に喫緊に取り組むべきである項目として整理したものになっています。  答申等に対する行政対応ですが、答申で示された提言について、第4期障害者プラン等に反映の上、具体的な施策として展開していく。また、横浜市発達障害検討委員会等で、取組状況や効果等を定期的に確認・検証するとしております。  ただいまプランに反映と申し上げましたけれども、こちらについては別紙でまとめております。A3の折り込んだ紙をご覧ください。「資料1−別紙1」と書かれたものになります。こちらについては、タイトルにあるとおり「答申で示された提言のうち、第4期障害者プランに反映した主な施策」ということでまとめたものになります。左から事業名、事業内容がございまして、振り返りということで記載しております。振り返りにつきましては、今年6月に策定しました第4期プランの改定版に反映している内容をそのまま記載しているものです。こちらにつきましては、後ほどご覧いただければと思います。また、裏面に「施策に対する指標」ということで、こちらも第4期プランの中に指標となる項目として盛り込んだ内容についてピックアップして記載しております。  次に6ページの中段をご覧ください。令和2年度〜令和3年度、令和4年度〜令和5年度については、答申に記載した内容に関する取組状況等の評価・検証を中心に議論を行ってまいりました。昨年度までは主に、地域療育センターの取組について、学齢後期障害児支援事業所(4か所目)の設置について、発達障害者等及び家族等への支援体制の確保に係る取組について、横浜市立高等学校における「通級による指導」についての議論を行ってまいりました。  (2)令和6年度、令和7年度の検討内容につきましては、現時点で想定できる内容を記載しておりますが、地域療育センター・学齢後期障害児支援事業所における事業の実施状況について、2点目として、保護者支援に係る取組(ペアレントトレーニング)の実施状況について、3点目として、保護者支援に係る取組(ペアレントメンター、ピアサポート)の実施に係る検討状況についての議論を行う予定でございます。  3は、6年度の開催日程ということで記載しております。資料1の説明は以上となります。よろしくお願いします。 (渡部委員長)ただいまのご説明に関しまして、ご質問とかご意見いかがでしょうか。それでは、この方向に向けて今期は進めてまいりたいと思います。あわせて、今後に向けて必要な取組についても、今回とあと来年2月にありますので、2月までには次の課題について検討しつつということで進めてまいりたいと思います。 (2)発達障害児・者に係る施策の取組について (渡部委員長)それでは、次の2つ目の議題、発達障害児・者に係る施策の取組についてになります。ここからは、横浜市の発達障害児・者への施策展開に関する取組状況や、取組による効果等についてご説明いただいて、その内容について評価・検証ということを順次行ってまいりたいと思います。 ア 発達障害者等及び家族等への支援体制の確保に係る取組について【資料2】 (渡部委員長)それでは、アとして、発達障害者等及び家族等への支援体制の確保に係る取組について、事務局からまず、ご説明いただいてよろしいでしょうか。 (嶋田係長)こども青少年局障害児福祉保健課嶋田と申します。資料2のご説明をさせていただきます。まず、ここでは家族支援に関する取組を中心にお話をさせていただきます。  1番の5年度の実績等については、障害児通所支援事業所向けに、ペアレントトレーニングに関する研修を実施いたしました。6年2月に、事業所向けに約半日の研修を実施させていただきました。内容的には、講演と実践報告、トークセッションという構成になっておりますが、講演の部分につきましては、江戸川区のほうでこういったペアレントトレーニングの取組をされている方のお話をまずお聞きするという場をつくらせていただいております。その上で、参加されている事業所の皆様に、より身近な取組と感じていただきたいということで、市内の事業所から実践報告を頂くという構成にさせていただきました。ご参加いただいた人数ですが、もともと40名ということで声かけさせていただいたのですが、それを超える52名の方にご参加いただいております。52名の内訳は、管理者、児童発達支援管理責任者、また、2年以上の勤務経験がある方にご参加いただいたものです。5年度に実施したペアレントトレーニングに関する研修のご報告は以上になります。  2番のところは、今後、取組をさせていただくものになります。保護者支援を目的として実施するペアレントメンターやピアサポートに係る事業検討についてということになります。7年度以降の事業実施に向けて、今、横浜市では、ペアレントメンターやピアサポートに関する取組をどのように進めるかということを、今年度検討させていただきたいと思っております。これから下半期の中で動いていきたいと思っておりますが、一応想定のメンバーとしては、まず5名程度、学識経験者、医療従事者、障害児・者福祉従事者、障害児・者やその家族ということで考えておりまして、そのほか、必要に応じて臨時委員のご参加も頂くという想定でございます。この委員の中から一部の方にこちらのご協力を頂くことになりますので、横浜市からお声がけさせていただいた際は、ぜひご協力をお願いいたします。  具体的な検討内容としましては、保護者支援の取組は、これから検討させていただくものですが、既に実施している取組もございますので、まずは現在実施している取組の実施状況の確認をさせていただき、その上で、事業を進める上での課題の整理であったり、今後の取組の方向性をまとめさせていただきたいと考えております。9月以降に3回程度会議を開催して、その中でメンバーの皆様から意見を頂いて、市としての保護者支援の取組の方向性をまとめていきたいと考えています。これについてはまた2月以降の、次回以降の会議でもご報告させていただきたいと考えております。こちらの資料の説明は以上でございます。 (渡部委員長)ありがとうございました。確認ですが、2の年3回程度開催予定ということについては、今年度で大体、最終的な報告を出されるというような、スケジュール感はどういう感じになりますでしょうか。 (嶋田係長)一応予定としては、実は第4期障害者プランの中間見直しの中でも、6年度に検討で7年度以降実施という計画を立てさせていただいております。めどとしては、6年度で一旦今後の方向性を検討した上で、7年度以降に何らかの形でその検討結果を踏まえて実施させていただきたいと考えております。 (渡部委員長)それでは、ただいまのご説明についてご質問・ご意見いかがでしょうか。特に、これからの部分がありますので、これからに向けてご示唆といいますかご助言もおありかと思いますので、そのあたりも含めて協議ができるとありがたいと思っております。委員の皆様、よろしくお願いいたします。 (桜井委員)桜井です。1番のペアレントトレーニングの研修に52名参加されたということですが、全部違う事業所の方が52名なのか、同じ事業所から複数名なのか、事業所数はどのくらいなのか分かれば教えていただければと思います。 (嶋田係長)統計の取り方として参加者の数で示してしまったのですが、一部の事業所は複数名参加されております。今、手元に事業所数がなくて申し訳ございません。 (桜井委員)あと、そのトレーニングを受けた後、受けた方や事業所が実際試行してみるとか、何かプログラムをやってみるような動きは横浜市で把握される予定があるのか、もしくは既に把握されているのかと伺えればと思います。 (嶋田係長)その点につきましては、昨年度もこの委員会の中で、実際に研修を受けた方のその後のご意見を頂いておりますので、できる限り追いかけていきたいと思っております。ただ、今回、研修に参加された方のアンケートでは、やはり家族との関わりについてなかなか時間が確保できないという方が多かったという結果になっております。また、関心をお持ちいただいた方には実際に研修にご参加いただいているのですが、研修を通じて実行に移せそうだと感じた方につきましては、アンケートの結果としてはちょっと少ない、20%を下回るような数でしたので、今回の研修の中では、事業所の皆様にこのペアレントトレーニングの取組について、なるべく実践に近い形でということを心がけたところではあるのですが、まだまだ事業所の皆様にとっては、実践に移すには少し敷居が、ハードルが高いものになっているんだなというのがアンケート結果から出されたところでございます。 (桜井委員)ありがとうございます。やはり1回の研修だったり話を聞いて実際やってみようというのはかなりハードルが高いかなと思いますので、例えば同じ対象者の方に継続して研修をやって実際にできるところまで持っていくとか、研修の持ち方の工夫も必要かなという印象を受けました。 (嶋田係長)ありがとうございます。 (渡部委員長)実際に実行する上での可能性が低い理由というのは。あるいはそれに対して、このままでいくとなかなか広がりというのが難しい気もするのですが、そのあたりに対するインセンティブといいましょうか、少し何か工夫というのはいかがでしょうか。 (嶋田係長)今、桜井委員からもご意見頂いたとおり、例えば研修のやり方もそうですし、インセンティブとなるといろいろ予算的なこともありますので議論が必要になりますが、横浜市としては、保護者支援の取組の重要性に関しては、こういった形で資料でご報告させていただいているとおり、やはりいろいろな取組の試行錯誤が必要だと思っておりますので、これからもいろいろ意見を頂きながら、また、現場の声も聞きながら取組を進めていきたいと考えております。 (日戸委員)日戸です。私は8年前まで児童発達支援事業所の園長をやっていました。基本的なことをお聞きしてしまうのですが、2つほどよろしいですか。1つ目は、私が園長をやっていた頃には、子供が来たときには収入が入ってくるのですが、保護者だけだと収入は入ってこないという時代でした。今は、例えばペアレントトレーニングをして保護者だけに来てもらったときにも、その事業所には収入が入るような仕組みができたのでしょうか。  2つ目に、厚生労働省からペアレントトレーニング実践マニュアルの冊子が、たしか2020年頃に出されていて、ある程度の質の保障のために、ここに書いてある大切な部分はきちんと守ってくださいという方針だったかと思います。このように研修会や各事業所でペアレントトレーニングを扱っていく場合、マニュアルに書かれたことを守っていますという認定はどのような仕組みで行っているのでしょうか。 (嶋田係長)では、まとめて答えさせていただきます。家族支援に関する加算というものが創設されておりますので、ご家族に対するご支援というところで、実施した場合に報酬が算定できる、そのような仕組みに今なっております。ですので、児童の支援だけをするわけではなく、家族支援をすることによる加算というものが創設されているというのが現状でございます。国からもそういったペアレントトレーニングに関するものは資料が示されておりまして、横浜市でも研修は実はいろいろ試行錯誤しておりまして、国で示されている「ペアレントトレーニングとは」という研修をやろうとした時もあったのですが、少し敷居が高過ぎてしまうかもしれないということで、今の実践的な例を踏まえた研修に至っている状況でございます。家族支援加算の適用に関しては、厚生労働省に則った考え方というのがあるのですが、この支援をしなければならないといったような、明確な加算の適用が示されているものではありませんので、このプログラムをやったら加算が適用されますとか、そういうものでは必ずしもない。ただ、そういったものも示されているので、それを参考にしたり、そういうことも基準に考えながら、家族支援を実施していただいた場合には算定ができますという考え方になっております。 (日戸委員)とてもよく分かりました。ありがとうございました。そうしますと、別にペアレントトレーニングをやってもやらなくても家族加算は同じという。 (嶋田係長)家族への支援を行うということでの加算になります。 (日戸委員)そういうことなんですね。そうしますと、どこの施設もいろいろなやり方で家族支援を既にやっていますので、ペアレントトレーニングというパッケージプログラムをどのように導入させていくかは、一工夫必要なのかもしれないと思いました。 (渡部委員長)日戸先生、一工夫というのは、例えばどういうアイデアが考えられますか。 (日戸委員)ペアレントトレーニングをやりたい方たちを募集してそのクラスをつくるとか、児童発達支援事業所や放課後デイの利用を開始したら最初の半年間はこれを受けておきましょうとする、などの工夫は考えられると思いました。 (伊原委員)子供がもうアラサーなのでかなり隔世の感があるのですが、私は東京都でペアトレを受けてメンターになっている友人がいて、継続的な研修を受けてメンターが各地で、その方は西東京で親の会を立ち上げたりして、ペアトレを組み込んだような形の傾聴の会をつくったりしているので、やり方として、事業所ごとにやるのがいいのか、ペアトレをぜひ受けたいと思っている保護者の方を集めて研修させたほうが、そしてそれを地域で少しずつ、地活でも何でも広げる場所を提供してやっていったほうがやはり実務的というか、同じ立ち位置の人が研修を受けてこういうところがよかったし、同じ立ち位置だと自分も、ペアトレって結構面倒くさいですよね。本だけちょっと見たのですが、褒めるタイミングとか、記録を書かなければいけないとか、子育てしながらそれをやる本当の大変さというのは、当事者でないと分からないのではないかと。そういう意味では、当事者が、ここまでできればあなたの場合はオーケーだと思うよみたいなことを言ってあげないと、事業所の方に、ちゃんと宿題してきましたか?記録されましたか?みたいに言われても、つらくなるだけなのではないかと。実際にやっていないので何とも言えませんが、親しい方がそういう活動をされているので、川崎とかそれに近い活動されていましたか、よく分かりませんが、やる気のある、学んでみたいと思う保護者の方に集まってもらう機会をぜひ横浜市もつくっていただいて、その方が軸になって事業所と絡んでいくというほうが実現しやすいかなと。今、正直、デイはお母さんたちの就労を助ける場所になっていると思うので、プラスアルファの講座をやっていくということにどれだけお母さんたちがついていけるかというと、その中でまた格差ができてしまったりもするのではないかという心配も、ちょっとお話を聞いていて思いました。以上です。 (渡部委員長)貴重なご意見ありがとうございます。ピアサポートは、自閉症協会では独自の取組とかされていますか。 (日戸委員)昔やっていませんでしたか。野尻さんが会長だったときに。 (平下委員)うちは子供がまだ23歳なので。ピアサポートというはっきりした形ではないですが、茶話会みたいなので集まってきて先輩お母さんがアドバイスするみたいな形では、日常的に結構やっています。 (渡部委員長)日常的に。 (平下委員)定期的にですね。 (渡部委員長)実施する上での何かこういう方向でとか、あるいはこれまでを振り返ったときにこういう課題がというあたりで何か思い当たることはございますか。 (平下委員)学びたい人は勝手に貪欲に学んでいくのですが、実はそうではない人に知識をあげたほうがいいのではないかというところもあるのがちょっとつらいところだなと思います。そういう方をどうやって引き込んでいくか。 (渡部委員長)ニーズのある方に対して少しでも参加していただけるようにするかという。 (平下委員)そうですね。はい。 (渡部委員長)ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。 (冢田委員)今、茶話会という話があったので。小学校の通級は、子供が来たときに保護者が一緒についてきてくれて、保護者たちの自然な感じのピアサポートの場になっていたんですね。各学校の保護者が集まって親の会みたいなのが立ち上がっていたのですが、ここのところそれも解消したみたいな話を聞きました。やはり学びたくても時間のある人がはっきりしてきていて、ピアサポートを必要とはしているけれども、そこに手が出せないというか、そういうところを、どのようにターゲットを絞っていくかとか、巻き込んでいくかというところもすごく大事な視点かなと思いました。 (渡部委員長)以上、出していただいたようなことについて、6年度の検討を進めていくという形でしょうか。 (嶋田係長)おっしゃっていただいたとおり、なかなかお忙しくて活動に参加いただけない方こそ支援が必要な場合もございますので、そういった場合も含めて検討していきたいと思っております。支援を必要とする方にどう支援していくかということを、この3回の中でご意見を頂きたいと思っております。 (渡部委員長)それではよろしいでしょうか。次の議題に移らせていただきます。 イ 地域療育センターにおける事業の実施について【資料3】 (渡部委員長)次はイになりまして、地域療育センターにおける事業の実施について、事務局からまずご説明いただいてよろしいでしょうか。 (枇榔係長)障害児福祉保健課の枇榔と申します。よろしくお願いいたします。  資料3をご覧ください。地域療育センターにおける事業の実施について、まず、1番目ですが、巡回訪問でございます。障害のある児童が通う保育所や幼稚園、小学校等に、児童の特性に合わせた適切な支援方法の助言を行う巡回訪問を各地域療育センターで現在やっております。これを拡充していくために、令和5年度に各地域療育センターにソーシャルワーカーを増員いたしました。  5年度の実績でございます。実施回数については、4年度と5年度を入れております。5年度につきましては2496回という実績が出ております。実際、訪問した機関の内訳ですが、(2)に巡回訪問先の内訳を載せております。やはり一番多いのが保育所になっております。保育所、幼稚園、認定こども園、このあたりが多く、そのほか小学校、特別支援学校、訓練会で、その他という項目がございます。(イ)に書いてございますが、地域子育て支援拠点ですとか、区の福祉保健センターでやっています親子教室などにも訪問しております。それから、担当している区以外にも当然ながら、お子さんが在籍しています区外や市外の保育所ですとか幼稚園にも巡回訪問しております。例えば南部地域療育センターですと、担当が磯子区や金沢区なのですが、金沢区は横須賀市と接しておりますので、横須賀市の保育園や幼稚園のほうに巡回に行っているということがございます。あと、特別支援学校につきましても、横浜市外にも巡回訪問に行っているという実績がございます。  続いて令和6年度の取組ですが、全ての地域療育センターの巡回訪問の担当者をメンバーとして、効果検証を行うために、10月以降に集まってノウハウの共有ですとか、把握している課題やニーズの把握に向けて検討を行いたいと考えております。こちらは、この後ご説明する初期支援事業ひろばなどでは、保護者の方のニーズですとか満足度というのを聞くために、全センター共通でアンケートをやっておりますが、そういった形で訪問先に共通のアンケートを実施したいと考えておりますので、年度の後半で検討していきたいと考えております。  続きまして2番の初期支援事業ひろばの実施でございます。ひろば事業につきましては、令和5年度に横浜市で予算をつけましたのは、北部地域療育センター、東部地域療育センター、西部地域療育センターの3センターに予算をつけて実施いたしました。4年度から5年度にかけて、4年度は東部地域療育センターのみだったのですが、5年度は3センターに予算をつけたということで、利用者の方も増加しております。令和6年度からは全ての地域療育センターで初期支援事業、ひろば事業ですとか専門職の相談を実施しておりますので、6年度の実績についてはまた後半の2月にご報告させていただきたいと考えております。以上になります。 (渡部委員長)ありがとうございます。それでは、ただいまのご説明につきましてご質問・ご意見いかがでしょうか。 (伊原委員)訓練会関係のOGのお母さんと話をしていると、これだけいろいろ横浜市が療育の早期介入とかいうことで頑張っていらっしゃるというのをこういうところで聞くのですが、現場ではなかなかつながっていない、待たされているということで、親御さんが非常に不安というか孤独感にさいなまれています。現状、どれぐらいの期間、前よりも待ち時間が短くなっていたり、または、待ち時間は短くなったけどうまく初期介入が、今はなかなか親の会とかもないし、個別性が非常に高くて取り残されてしまう親御さんがいてそういう気持ちになっている方が多いとか、その辺の最近の特徴が分かりましたらお願いしたいです。 (枇榔係長)待ち時間というのは、療育センターを利用できるまでの時間ということですか。ありがとうございます。実はこの初期支援事業というのは、まず、地域療育センターに申込のご連絡をしていただいて、概ね2週間以内ぐらいにソーシャルワーカーで初回の面接をさせていただきます。ですので、原則としては2週間以内なのですが、保護者の方が例えば就労されていたりすると、なかなか日程が合わなくて超えることもあるのですが、2週間で初回面接のときにどういったところを利用したいかとか、いろいろなことをお伺いして、その後、ひろば事業とか、心理職のいる専門の相談とかにすぐにつながれるようになりました。6年度からは9センター全てで事業を開始しましたので、概ね2週間と考えていただければと思います。 (伊原委員)親御さんは、診察とか、診断をつけていただきたいとか、何らかの現状の解決法を知りたい、お医者さんに聞きたいということが非常に多く、医療につながるまでの地域の長さなのではないかと思うのですが、その辺は結構、まだ待っているのかどうなのかお聞きしたいのですが、いかがでしょう。 (枇榔係長)ありがとうございます。診療についてはおっしゃるとおり、なかなか来週とか再来週ということではやはりなくて、今のところそんなに期間は短くなっていないのですが、必ずしも診療でなくても、先ほど申し上げたような心理職など専門の方にご相談してある程度見立てをしていただいて、お子さんに合わせた対応方法などを学ぶことで不安が少し軽くなったというご意見は頂いております。 (伊原委員)放置される期間がなくなったというふうに考えて。ありがとうございます。 (渡部委員長)齊藤委員、今の点とか、この議題に関していかがでしょうか。 (齊藤委員)北部センターと東部センターと西部センターに初診前のサービスの予算がつきまして、先駆けて始めているのですが、療育センターは発達障害に関連する相談がどうしても7割、どこのセンターもそうだと思いますが、とても多くございます。その中で、やはり障害自体を皆さんが知るようになって、医師の診察もそうなのですが、きちんと早くに相談して、診断にかかわらず適切に対応することが非常に重要であるということを皆さんが知ってくださるようになってきたかなと思います。ですので、ソーシャルワーカーが最初に面接をするのですが、意外と診察にすぐに入りたいですという方はそんなにいらっしゃいません。それよりも、明日からどう育てていったらいいのか、その手立てが知りたい。これから自分の子供が幼稚園に行ったらいいのか保育園に行ったらいいのか、そういう相談がしたい。それから、最近とても増えているのは、私のエリアは都筑区ですが、非常に事業所が多いんですね。どこを選んだらいいのか分からない。そういう相談がとても多いです。診察に関して言えば、初期支援をしていく中で、いろいろな方がいらっしゃるので、その中で緊急度というのが分かります。すぐに診察をご案内したほうがいいかなという方も、お会いしている中でだんだん私たちも分かるようになってきたので、保護者の方のご希望を伺って、診察のご希望があれば翌月入ります。1週間後に入るというようなことが大分柔軟にできるようになってまいりました。ですので、私たちはこの取組に非常に意義を感じています。ドクターが急に増えるというのは大変難しい問題ですので、できればこの初期支援を充実させて、困っていらっしゃる方がすぐにサービスにつながる、支援につながるということを、これからも続けていきたいと思っています。まだまだ不十分なところがあると思うので、どうぞご意見を頂きながらと思っています。ありがとうございます。 (伊原委員)まだ始まったばかりなんですよね。 (齊藤委員)そうですね。はい。 (渡部委員長)それでは高橋先生。 (高橋委員)齊藤委員が言われたことでほとんど網羅されているので。あとは、療育センターは9センターありますが、地域によってお子さんの数が違うので、医療の診察に入れる期間が地域によって少し違うというような現状もあろうかと思います。また、今ちょっと話していましたけれども、診察して発達障害の診断ができる医師がどれだけいるかと。結構確保して頑張ってはいるのですが、数年前から比べると大体3倍ぐらいの数の利用者さんが受診されて、また、療育センターだけでなく、県立こども医療センターや大学病院、精神医療センター、児童外来をやっているところはどこもいっぱいで、県立こども医療センターでは今おおよそ1年待ちぐらいの診療になっていますが、本当にお子さんを取り巻く環境といいましょうか、こういう精神医療を受けるお子さんがすごく増えているので、なかなか診察という点ではお待たせしているのが現状かと思います。ただ、療育センターのひろば事業に関しては、今、齊藤委員からもお話があったように、できるだけ早い段階でご案内して、社会療育的な関わりを通じて子育てのアドバイスをする。それから、去年から心理職にも予算がつきましたので、できるだけ早い段階で心理職と面接をして不安軽減をするという点では頑張っていますので、まだこれからだと思いますが、ご意見また賜りたいと思います。ありがとうございます。 (渡部委員長)そうすると、当初、この答申の中で指摘された部分については、一定の成果が得られてきているというような受け止め方ということでしょうか。今後、アンケートを取られるとか、実際に声をもし会のほうとかで吸い上げていただくことがありましたら、そのあたりを第2回目のときにでもお聞かせいただけるとありがたいかなと思いますので、よろしくお願いします。 (齊藤委員)少し違った質問といいますか、お願いといいますか、がございます。巡回相談ということでここに内訳が書いてございますが、実は私ども、放課後キッズからも依頼があればお伺いするようにしています。放課後キッズは、言葉を選ばずに申し上げますと、大変な状況になっています。学校は特別支援教育が始まって専任の先生もいらして随分手厚くなり、子供のほうも事業所がたくさんできて通う場所ができて、一定の保護者の方の不安も軽減されてきているのかなと思うのですが、放課後キッズに通う子供は大変な状況です。まず、物理的にお部屋に全員入れないというような状況とか、それから、放課後デイサービスに行くお子さんは一旦キッズで預かるんですね。ご存じでしょうか。お迎えの時間差があるのです。だから、早く下校になるお子さんはキッズで過ごすんですね。キッズで遊ぼうと思ったらお迎えが来るのです。そして、そこから事業所に行くというような状況で、お子さんが大変混乱しています。そして、支援者の方々も大変な思いで子供さんを見ていらっしゃるので、ここはどこにどういうふうにお願いをしたらいいのかなと思いまして、通うお子さんは当然声を上げられないですし、当事者の方、支援者の方もどこに相談したらいいのかということで、私どものほうに大変相談が来ることがあります。ですので、一人のお子さんが一日を生活するというところで、制度が変わる、切れ目がある、そういう生活になっていて、サービスがなかなかうまくつながっていかないなということを感じます。その辺についての施策は多分、まだあまり具体的にはないのかなと思いますが、何かご検討されていることとかありましたらお願いいたします。 (渡部委員長)現状をちょっと教えていただきましたけれども、このことについて事務局、お願いしていいですか。 (嶋田係長)障害児福祉保健課嶋田です。ありがとうございます。具体的な施策としてはこれから検討が必要だと思っていますが、地域療育センターで実施していただいているこういった巡回訪問ですとか、そのほか、それ以外にも法定事業の中で保育所等訪問支援事業ですとか、そういった訪問の事業がございますので、これからこうした取組を伸ばしていくのが重要だと思っております。特に地域療育センターで実施していただいている巡回訪問につきましては、こういった形で計画にも定めて回数も伸ばしているところでございますが、まだこれからニーズが広がっていくと思っておりますので、療育センターの皆様ともいろいろ情報交換や意見交換をしながら、これを伸ばしていけるようにしたいというのが今考えているところでございます。 (渡部委員長)ありがとうございます。私はよく勉強していないのですみませんが、放課後キッズというのはどこが所掌されているのでしょうか。 (嶋田係長)こども青少年局になります。 (渡部委員長)そのあたりの現状理解というのはいかがでしょうか。 (嶋田係長)今、齊藤委員からお話しいただいたようなところも、今日はたまたま都合がありまして会議のほうには出席できていませんが、放課後の部門もこの事務局に入らせていただきまして、私どもとしましては日々、意見交換、情報交換しながら取組をさせていただいておりますので、齊藤委員から言っていただいた課題等も踏まえながら、こういった地域支援の取組に私たちとしては力を入れて、支えていく力を伸ばしていきたいと思っております。 (渡部委員長)ただ、お伺いするとかなりせっぱ詰まった状況があるような感じがしますので、そのあたりはスピード感を持って進めていただけるとありがたいと思います。 (嶋田係長)少しためらいながら申し上げたのは、療育センターのほうも今、巡回訪問で行っていただいている件数は保育所等も多い中で、放課後キッズ等にも足を運んでいただいているという事情もありますので、もちろんこちらとしては伸ばしていきたいところではありますが、なかなか各センターの事情もあると思いますので、いろいろ状況を見させていただきながら、こちらもそういった増員とか含めて検討しながらなるべく早く対応していけるようにしていきたいと思っております。 (齊藤委員)まず物理的な問題が、教育との調整が必要かと思いますが、子供が教室の中に入れない、あふれているという状況のキッズが大変多いです。物理的な課題がすごくあるなと思っています。よろしくお願いします。 (渡部委員長)学校のほうの教育ということもあるのですか。 (齊藤委員)どうなんでしょう。どういうやり取りになっているのか分からないのですが。 (嶋田係長)別途、こども青少年局のほうでということではありますけれども。 (渡部委員長)入れないということについては…… (齊藤委員)教室が足りないと感じました。 (高橋委員)狭いところにお子さんがいっぱいいて。 (柴山部長)放課後キッズについては所管外にはなりますが、学校の中で実質空き教室などを利用してやっている事業です。2つに分かれていて、1つ目のほうは誰でも行ける。登録は必要かと思いますが、特に要件がなく、無料で誰でも行けるものと、いわゆる学童で、保護者の方がお仕事などで遅くなってお預かりするものとがあって、恐らく放課後等デイサービスのお迎えを待っている間は多分、誰でも行けるような状況なので、特にそういった、人が多い空間が苦手なお子さんなどはちょっと入りにくかったりとか、そういった事情もあるかと思います。その辺は、日常的に連携は図っておりますが、この委員会の中でも委員の方からそういったご意見を頂いたので、現状どのような形なのか、現状の把握から含めて、頂いたご意見になるべく早く取りかかれるようにこちらも努めてまいりたいと思っております。 (冢田委員)3年前まで学校の管理職をしていたので。自分の学校にもキッズがあって、年々利用者が増えていったちょうどその過渡期で、おやつが出る時間帯の子供たちと利用の仕方が分かれるときがあったのですが、やはり最初に計画して学校が提供した広さよりも子供のほうがどんどん想定した数よりも増えていくのです。何時までここは6年生が使うけど、そこから後はキッズが使うとか、同じ場所を時間で分けて共有している状況が結構、どの学校でもあるのではないかと思っています。なので、スタッフの方が本当に大変で、なぜかというと、子供もよく分かっていて、学校からキッズに行って隣の部屋に行っただけなのですが、気持ちが全然おうちモードになるので、言うことは聞かない、やりたい放題という感じになるのです。その中で本当にスタッフの方たちがよくやってくださっているので、スタッフの方たちの人材育成みたいなところとか、あと、障害児のサポートということで、退職校長さんたちがこ青局の担当者になっていますよね。放課後のキッズを巡回するポジションがあるのですが、行かれていても頻回には行けないので、その辺は療育センターとかいろいろなところを頼るしかないという現状にあって、本当に中身は大変だと思います。子供たちのほうが逆にだんだんその生活のリズムに慣れてくるというたくましさはあるのですが、ぜひ人材育成という柱も持っているので、キッズとか放課後の人たちのスタッフの人材育成と、そこをサポートする人たちの人材育成、あるいは人材の補強というか数を増やすということを検討していただけたらいいかなと思います。 (阿部委員)私は地域活動ホームということで、地域活動ホームの中でも生活支援事業の中で一時ケアという、障害のある2歳のお子さんから預かれるサービスがありまして、今回、地域活動ホーム代表で出させていただいていますが、あまり言い過ぎるとほかの地域活動ホームに怒られてしまうかもしれませんが、年々この生活支援事業、一時ケアの利用数が減ってきています。それは恐らく放課後等デイができて、どうしても生活支援事業のニーズというのが、ご本人の支援というよりは、どちらかというとご家族支援というところで、やはりご家族が就労するためには確実に利用したい。そのために、放課後等デイですと、契約して日にちが決められる。地域活動ホームの生活支援事業は予約で、取れなければ利用ができないというような状況もありますので、そうすると、やはりどうしても確実に利用できる放課後等デイサービス等に皆さん流れていっているのかなと。全体的な数字を見ても、利用の時間数は下がってきているところがあるので、そこはやはり地域活動ホームの中でも見直す部分かなと感じていました。もうちょっとしっかり分析しないと、果たしてそれが放課後等デイサービスができての減少なのか、ほかの理由もあるのかもしれませんが、やはり放課後等デイが増えてきた中での減少は明らかだと思うので、そのあたりをもう少し見て、逆に地域活動ホームの利用がなければ、例えばそこに人を張らないで、ほかのところに人をという形になってきている現状もあるかと思うので、地域活動ホームのせっかくある資源をどう有効に使うのかというところも一緒に考えていけるといいのかなと、今お話を伺って感じました。 (渡部委員長)ありがとうございます。問題提起がなされましたので、このことについても受け止めていただいて、併せてご検討いただくようにお願いしたいと思います。それでは、イについてはここで一旦、次の議題に移らせていただきます。 ウ 学齢後期障害児支援事業の実施状況について【資料4】 (渡部委員長)ウの学齢後期障害児支援事業のご説明をお願いできたらと思います。事務局からよろしいでしょうか。 (嶋田係長)では、引き続きまして障害児福祉保健課の嶋田です。資料4についてご説明させていただきます。資料3の地域療育センターもそうなのですが、この検討委員会の中でいろいろご意見を頂いて、地域療育センターの支援の在り方や、学齢後期障害児支援事業所の事業の拡充等に取り組んでおりますので、事務局の考え方としましては、その相談状況だったり対応状況をしっかりこちらの委員会でご報告させていただきたいと考えております。これまでなかなかこういった相談実績含めてご報告できない部分もございましたので、これからこういう形で件数のご報告をしていきたいと思っております。  学齢後期障害児支援事業の実施でございますが、1番、5年度の実績についてのご報告になります。相談支援件数は7509件という数字になっております。これは、この5年ぐらいを見ましても7000件程度で推移しておりますので、大体同じぐらいの数字が相談件数として上がっている状況でございます。下のほうに相談内容の内訳を記載しておりますが、上から2番目の「現在の生活に関することや、家庭で家族ができることを知りたい」、こういった相談内容が一番多くなっている状況です。一番最後、その他の数が多くなっておりますが、これは本当にいろいろな相談が上がっているという状況ではあるのですが、学齢後期障害児支援事業所も医療型と福祉型とございまして、医療型で例えば診断書の作成について相談したいとか、そういったことがこのその他の数に含まれております。次に相談者の内訳ですが、延べ2141名の方からご相談をいただいておりまして、数としては本人・家族から頂く件数のほうが多くなっております。本人・家族としておりますが、大半がご家族の方からご相談を頂いている状況でございます。最後に書かせていただいた関係機関への助言件数につきましては、学校とか関係機関向けの研修を実施したり、地域の協議会等への参加といった件数をカウントしているものでございます。この関係機関への支援につきましては、各学齢後期障害児支援事業を担っている事業所とも意見交換・情報交換をしながら、これから伸ばしていきたいと思っている部分でございます。相談実績については、簡単ではございますが以上でございます。  次に2番、その他としまして情報提供させていただきます。昨年度の予算の中で設置した4か所目の事業所に関する情報でございます。前回の会議でも運営法人、社会福祉法人青い鳥様に担っていただくというご報告をさせていただきましたが、事業所名等がこの間、決定しておりますので、そのご報告になります。学齢後期発達相談室の「みなと」という名前で運営を開始しております。今いろいろ、相談ブースの設置とか、順次対応しておりますので、少しずつ相談部門を広げつつあるところではございますが、この4か所目も含めて今後は、既存の3か所と合わせて4か所で、市内の発達障害のある方、保護者の方からの相談支援に対応していきたいと思っておりますので、今後はこの「みなと」もぜひよろしくお願いいたします。ご説明は以上になります。 (渡部委員長)ありがとうございます。それでは、このことについてご質問・ご意見いかがでしょうか。 (池田委員)まず一つは感想なのですが、相談実績の内容をお伺いして、進路とか就労というご相談もそれなりにあるんだなと。ライフステージで切れ目なくということを考えると、支援機関同士もうまく連携していけたらいいのかなと改めて思ったという感想が一つです。  あと、改めての確認になりますが、4つ目ができたことで横浜市内のどんな課題の改善を見込んでいるのか、評価指標とかはどうなのか、お伺いしたいです。また、改めて18歳以降に向けて今後、意識的・能動的に取り組んでいくようなことがありそうか、そのあたりもお伺いできたらと思います。よろしくお願いします。 (嶋田係長)回答させていただきます。まず、4か所目の開設によって今後どういう展開かということで、各機関は二次相談支援機関という位置づけではありますが、一方で、市民の皆様にとって、発達障害に関する専門の、中高生年代の相談窓口という機能も担っております。先ほど、ここ数年、7000件程度で推移していると申し上げましたのは、ある程度対応できる件数が上限に達しているという状況もございましたので、4か所目ができたことを通じて、4か所で協力しながらさらに多くの件数を受けていけるだろうと見込んでいるところでございます。一方で、今後の展開のところで申し上げますと、先ほど関係機関への支援というお話をさせていただきましたが、学校ですとか、そういったところへの機関支援ということも、これからさらに求められる役割が出てまいりますので、ここにつきまして4機関で今話しておりますのは、市内の関係機関向けの部分を4機関で協力して取り組んだり、場合によっては4機関合同で対応するなど、4機関で連携しながら市内の支援力を高め、相談支援に対応していけるようなことを今、狙っているところでございます。ご質問いただいた18歳以降のところにつきましては引き続き課題だと思っておりまして、18歳以降の部分も対象の方によって、例えば手帳を所持している方、手帳を所持していない方、障害の受容に関してもいろいろ個人差がございますので、それぞれのニーズに合わせた形でどのように連携していけるかということにつきましては、引き続き各機関とも相談しながら対応していきたいと思っております。なかなか難しい課題だと思っておりますので、ここは引き続き議論していきたいと考えているところでございます。 (渡部委員長)池田委員、よろしいですか。 (池田委員)はい。結構です。 (桜井委員)同じ法人でくらすをやっているので付け足しです。くらすは、やはり中高生の方の相談のお電話やお問合せが年々非常に増えてきている現状があります。今、実際、相談待ちの期間がかなり延びてきて、療育センターは解消されているのに、逆に学齢後期のほうの待機期間が非常に延びていて、くらすだと多分、4〜5か月先のインテークになってしまうような状況になっています。そういう意味では、4か所目を非常に待ち望んでいるというか、4か所目ができることでそこが多少ばらけると待機期間が短くなるということを期待しているところがあります。先ほど嶋田係長もおっしゃっていたように、関係機関、学校ではスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーも増員されてきていますので、そういうところと連携して、わざわざ学齢後期の事業所に行かなくても学校で相談や対応ができる状況が広がってくると、その辺の学齢後期が担う部分がもうちょっと整理されたり、待機も解消されてくることを期待しています。 (渡部委員長)ありがとうございます。1点よろしいでしょうか。今回、相談実績というのをこういう形でお示しいただいたので大変よく分かったのですが、この中の「対応困難な状況の改善について相談したい」という相談内容とか、その後の支援への展開というあたりで何か、情報としてお持ちの範囲で結構ですので教えていただけるとありがたいかなと。かなりせっぱ詰まった状態でここに相談されているということがもう一つ支援につながっていない中で、ある種、ほかに行き場がないのでここに相談しているというような現状がもしあるのであれば、その事例に対する支援というのが相談と同時にうまく展開されていくといいなと思っているので、このあたりの相談内容とか、どういう形で相談から支援につながっているのかというあたりを、分かる範囲で教えていただけるとありがたいと思います。 (嶋田係長)まず、統計がこういう取り方になってしまっているので、なかなか継続的に追うような統計が取れていないものですから、統計上でお示しができないところではあるのですが、もしかしたらまた桜井委員から補足があるかもしれませんが、各事業所の関わりとしては、やはり中学校期に関わる方が3事業所の中でも件数としては多くなっておりますので、ある程度こういった困難な状況にある方につきましてはスタートの時期が、中1から支援とは言っているものの、小6とかから支援がスタートして、継続的に関わっている方も一定数いらっしゃいますので、困難な方に関しては継続的に定期的に面談等しながら、この学齢後期障害児支援事業所がフォローしているというのが現状の支援状況かなと見ております。 (渡部委員長)継続的にというのは、療育センターから継続的にということでしょうか。 (嶋田係長)療育センターからという方もいらっしゃいますが、一つの特徴としては、必ずしも療育センターからつながってくる方だけではありませんので、中学校期ぐらいを境に新規で、そこでいろいろ学校の中とか家庭で壁にぶつかって相談いただくという件数も一定数いらっしゃいますので、必ずしも療育センターから続いてというだけでなく、今、継続的にと申し上げましたのは、中学校から高校までの6年間の中で継続的に事業所が関わっているという意味でご説明させていただいたところでございます。 (渡部委員長)委員の方、いかがでしょうか。 (桜井委員)多分、医療型と福祉型で違う側面があるかと思いますが、療育センターに小学校6年生までつながっている方は、医療も必要な方のケースが多いかと思います。そうすると、医療型のほうには療育センターからつながっていく方が多いかと思いますが、医療が必要ない方というのは、一瞬なのかもしれませんが、ある程度状態が落ち着いたところで間隔が空いたりとか、そんなにつながる状況ではなくなっていたけれども、環境の変化に弱いのが発達障害の特徴なので、小学校から中学校という大きな環境変化のところでご本人なりご家族が大混乱に陥って、やはり相談しなければという状況になって、過去に療育センターにつながっていた方が中学生になって改めていらっしゃる。だから、つながってくるというよりは、新たにまた来るみたいな感じでいらっしゃるというケースが幾つかあります。あとは、親御さんは全くそういう意識を持たずにこれまで関わってこられたけれども、中学に入っていろいろ問題を起こす中で指摘を受けてつながってくるという方たちが福祉型のほうは多いです。というのは、やはりそこまで診断も受けずに来た方が、いきなりそうかもしれないというところで、じゃあ医療で診断を受けようということにはすぐにならないので、本当にそうなのかとか、もうちょっと自分の対応だったり、学校の対応だったり、ご本人が相談することで変われる部分があるのではないかというところからまず何とかしようということで福祉型にいらっしゃるというケースが一定数いらっしゃるかなと思います。  対応困難な状況は本当に様々ですが、いわゆる思春期なので、ご家庭で親御さんと対立してしまうということも多いですし、触法とか非行みたいな行動にどう対応すればいいのかということだったり、その触法とか非行の内容も、例えば性的な痴漢だったりすると、なかなか学校にも相談しづらい内容になってきて、それ以外のところに相談したいというニーズになってきていることもあるかと思います。その辺も対人関係の問題があるので、単純に性的な関心や性欲が強くて痴漢ということではない、やはり対人の距離の取り方とかコミュニケーションの課題から来る、そういう困難な状況に対してどうすればということが発生してくるという。それも、小さいときだったら女の子に触っても問題視されなかったけれども、中学生になって女の子に触ると問題視されるというところで、同じ行動が課題になってくる年代ということもあるかと思います。 (渡部委員長)よろしいですか。支援事業については、また4か所目の運営状況についても聞かせていただければと思います。それでは、一旦この課題については閉じさせていただいて、次のエに移りたいと思います。 エ 横浜市立高等学校における「通級による指導」について【資料5】 (渡部委員長)横浜市立高等学校における「通級による指導」について、まず事務局からご説明いただきたいと思います。 (野中係長)教育委員会事務局特別支援教育課担当係長の野中でございます。資料5、横浜市立高等学校における「通級による指導」についてご説明いたします。細かい説明につきましては、同じ教育委員会事務局の高校教育課のほうから説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。 (上ノ町係長)皆さん、こんばんは。高校教育課担当係長の上ノ町と申します。よろしくお願いします。  まず初めに、横浜市立高等学校における「通級による指導」についての1番、令和5年度の実績報告をご覧ください。(1)横浜総合高校での「自校通級」、自校通級というのは、横浜総合高校内で通級指導教室を開設し、横浜総合高校に通っている生徒を対象に通級指導を行うというものでございます。対象の生徒は、自閉症とか情緒障害のお子さんです。こちらでは、学校設定科目「コーピング・アクティビティ」というもの、いわゆる自立活動を設定し、申請のあった生徒さん52名を対象に指導を実施しました。教員については、通級担当専任教員を3名配置しておりました。また、専用教室は、学校をちょっと改修して通級の専用教室というものをつくり、昨年11月より利用を開始しております。また、心理相談員を派遣し、希望者に心理検査も実施しております。  (2)盲特別支援学校・ろう特別支援学校での「他校通級」、こちらは、弱視、難聴、言語障害のお子さんを対象に体制を整えました。弱視、難聴、言語障害のお子さんがろう特別支援学校や盲特別支援学校で指導を受けたいという場合に、そちらの学校まで行って指導を受けるというものでございます。体制は整備していたのですが、令和5年度の利用申請はございませんでした。令和5年度の実績報告は以上でございます。  続きまして2番のところ、令和6年度の実施状況の説明に移ります。(1)横浜総合高校での「自校通級」ということで、こちらは引き続き学校設定科目「コーピング・アクティビティ」を行っております。今年度は昨年度よりちょっと人数が増えまして、申請のあった生徒61名を対象に指導を実施しております。担当教員も、昨年3名だったところ、5名配置ということで人数を増やしております。国の基準では、生徒13人に対して教員1人を配置するという通級の基準がございますので、こちらにのっとって人数を増やしているところでございます。ただ、この5名のうち1名は、自校通級ではなく、後ほど説明する巡回指導というものに当たっているところでございます。また、こちらの専任教員以外にも教科指導教員が通級指導に当たれるよう、週18時間分、非常勤講師を配置しております。教科指導に当たっている教員が通級指導に当たれるように、教科指導教員の代わりに非常勤講師が授業を行い、その浮いた分で通級に入れるようにということで体制を整えているところでございます。時数や教科は、18時間分の内訳になりますが、国語が6時間、英語が2時間、音楽4時間、保健体育6時間ということで、これらの先生の代わりに非常勤講師を入れて、その浮いた分で先生が通級指導に当たれるように体制を整えております。  (2)盲特別支援学校・ろう特別支援学校での「他校通級」のところです。今年度については、生徒1名の申請がございましたので、ろう特別支援学校での他校通級を実施しております。  (3)市立高校全校を対象にした「巡回指導」ということで、こちらは、拠点校である横浜総合高校の通級担当専任教員が各校へ巡回して通級指導を行うというものでございます。今年度は現状、申請のあった生徒8名を対象に指導を実施しているところです。指導回数としては月1〜2回程度、1回当たり50分〜100分の1〜2単位時間ということで指導を行っているところです。通常、日中は普通の授業に生徒さんが出ていますので、支障のない夕方の時間帯などを活用して行っているところです。  次のページです。(4)教職員への研修等というところです。まず初めに、特別支援教育コーディネーター協議会での担当者向け研修を7月に実施しております。また、ろう特別支援学校教員による教員対象研修会も7月に実施しております。こちらの特別支援教育コーディネーターの研修についてですが、先ほど説明した巡回指導を行っている通級指導の担当教員が講師となって、高校における通級というテーマでお話をしていただいております。  (5)通級による指導に関する相談体制ということで、こちらは、拠点校である横浜総合高校によるセンター機能を活用した「通級による指導」への相談体制の整備を行っているところです。  (6)は「通級による指導」に関する周知ということで、ウェブサイトですとか、在校生への案内、新入生への案内を行っているところでございます。簡単ですが説明は以上です。 (渡部委員長)ありがとうございます。それでは、このことについてご質問やご意見いかがでしょうか。1点だけ確認させていただいていいでしょうか。令和6年度の(2)なのですが、これは申請のあった生徒に対して、この生徒がろう特別支援学校に通うといいましょうか、そういう形なのでしょうか。 (上ノ町係長)はい。おっしゃるとおりです。 (渡部委員長)その下は、申請のあった生徒がその学校で受けられるわけですよね。ろう特別支援学校は通わないといけないということの理由、逆に高校に来てくれればいいのではないかという感じもするのですが、これはどういう理由でこうなっているのでしょうか。 (上ノ町係長)なかなか普通の高校だと、ろう特別支援学校や盲特別支援学校のように整備が整っていないところもあるので、どうしても整備の整った、受入体制が整っているところに生徒が通って受けるという体制を今取らざるを得ない状況で、申請数が少ないこともあって今は模索しながら、両支援学校のほうに通って指導を受けているという状況でございます。 (渡部委員長)同じようにアウトリーチという形で実施するということがあってもいいような感じもするのです。必ずしもろう特別支援学校に設備があるからということで、そこでないとできない指導なのかもしれませんが、このあたりは(3)と同じような形での指導の形態も考えていけるといいのかなと思いました。 (上ノ町係長)かしこまりました。引き続き特別支援教育課と情報共有しながら進めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。 (渡部委員長)いかがでしょうか。 (高橋委員)ちょっと分からない、知らないので教えていただきたいのですが、今の盲特別支援学校・ろう特別支援学校の他校通級は、市立の高校生が対象ということでしょうか。小中学生でもこういう事業をやっているのでしょうか。 (上ノ町係長)ここの範囲はあくまでも高校の通級なので、ここに書いてあるのは高校生が対象でございます。 (高橋委員)そうすると、小中学生では、こちらへの通級に通っていらっしゃる方は結構多いのでしょうか。 (野中係長)特別支援教育課担当係長の野中でございます。小中学校の関係ということでお答えさせていただきます。今回この議題につきましては、高校の通級が令和5年度から開始したというトピックがありましたので、5年度・6年度とご報告させていただいているところでございますが、小学校・中学校におきましても、弱視ですとか難聴の小学生がろう特別支援学校・盲特別支援学校に通いまして通級指導を受けているということでございます。具体的な人数は今ちょっと手元に数がないのですが、弱視はたしか10数名程度だったかと思います。 (高橋委員)そうしますと、その方たちが高校に入ってこの通級を利用した場合は、市立高校でないと利用できないということなのでしょうか。神奈川県内、横浜市内には県立高校とか私立も多いので、そういう方が通えるようなことになっているのかどうかを教えてください。 (上ノ町係長)残念ながら、あくまでも設置者は横浜市ということで、県立の生徒を受け入れているという制度は、現状、ございません。 (高橋委員)県立高校や私立高校の方が通うようなのは、県の教育委員会のほうでやっていらっしゃるのでしょうか。 (上ノ町係長)ごめんなさい、そこまで把握できていないので、確認させていただきます。 (高橋委員)よろしくお願いします。どうしても横浜市立高校は数が少なくて、横浜市内はほとんど県立高校だと思いますので、もし利用されたいのなら横浜市立高校を受験しなければいけないというのもちょっとおかしい話なのかなと思いまして質問させていただきました。 (上ノ町係長)補足ですが、横浜市立高校の特色の一つとしてこういう取組もあるので、できれば横浜市立高校を受験していただけるとありがたいなと思っています。 (伊原委員)高校における通級というのは、何を目指してどんな効果があったのかという具体的なイメージが全然湧かないので、今、神奈川県ですとチャレンジスクールみたいなので、ボーダーとか軽度知的のお子さんが一般の取り出しをするような形で、要は分教室がこれ以上建てられないということから始まっているところもあるとは思うのですが、この市立の通級が何を意味しているのだろうかということを、現状をちょっとお聞きしたいと思います。 (上ノ町係長)ありがとうございます。そもそもこの通級が始まった経緯ですが、文部科学省から、高校においても通級教室を広めていきなさいという通達がございまして、こちらが基になっております。目指しているところは、今始まったばかりなので模索しながらという形にはなりますが、先ほど申し上げたとおり自立活動とか、高校に進んで勉強だけできても実はコミュニケーションに不安があったりとか、そういう心情を抱えたお子さんが結構、潜在的にいらっしゃることが分かったので、そういう子を拾い上げるために、通級における指導として自立活動等々の指導を行うということで進めているところでございます。 (伊原委員)私は子供を明治学院大学に見てもらったりしていたので、そちらの親御さんの集まりにも参加させていただいていて、都立高校に通われて中学から引き続き通級を使われている方がいました。その方は、いろいろ効果はあるけれども、子供にとってやはり自分が人と違って大変だという学校生活の中で、サードスペースとして理解してくれる先生とかスクールカウンセラーが関わることで、違いはあるけど頑張れるみたいな形で使われているようなイメージを受けたので、横浜市としてはどういうイメージなのかということをちょっと知りたかったのですが、今の話だと形からありきみたいな印象を受けてしまったので、もうちょっと市としてはこういうふうに利用してくださいというようなイメージをつくっていただいたほうが、本人にとても反映してくるものになるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。 (冢田委員)高校の通級が軌道に乗り始めて大変うれしく思っています。ただ、今年度、来年度のこの会議の議題にはもう高校通級は上がってこないのかなと。それでいいのでしょうか。 (渡部委員長)いや、そこはちょっと、2月の時点でどういう内容をするかというのはまだです。 (冢田委員)分かりました。ぜひ情報提供していただけるとありがたいですし、これから、例えばここでの話題が少なくなったとしても、予算とか充実を図って、教材とかがなかなか用意できないという話も聞いていますし、日戸先生が検査してくださるケースについても、これから少しずつ増やしてもらえたらいいかなという声も聞きました。  あと、その要望の中のもう一つとしては、今ここに高校教育課の方が来てくださっているということがとても私は大きいと思うのです。特別支援教育課と特別支援相談課の方がここにいて話をしてくださるのはもちろんありがたいのですが、そうではなくて、特別支援に関わっているという冠のない課が来て一緒にここでこの話題について共有してくださっているということがとてもありがたいと思いますので、メンバー構成の中でも、通常教育に関わっている教育委員会の方たちにここで話を聞いてもらうようなことをこれからもしていただけるとありがたいなと思っております。要望です。 (日戸委員)高校通級の1(1)のポチの下のほうに「心理相談員を派遣し」と書いてありますが、実は私は心理相談員として行っていまして、通級の先生たちが日々やっていらっしゃることを脇から見ておりますので、全て分かっているわけではないのですが、先ほどの伊原さんの質問に少しだけ説明できればと思いました。3名の先生たちはとてもやる気があり、特にリーダーをしていらっしゃる先生は洋光台の中学の通級から高校のほうに1〜2年の準備期間を経て来られた方なので、高校の先生たちに対して職員研修や啓発から始めておられます。すばらしいと思ったのは、高校の先生として学校の中に溶け込み、通級が浮いてしまわないような形を取りながら働いていらっしゃることです。ほかの2人の先生も含めて高校の先生方と日々コミュニケーションが取れるような体制を取りながら、通級指導教室をスタートさせています。特別支援教育になじみのない高校の先生たちをどんどん巻き込みながら展開しているところもすばらしいと思っています。  お子さんについては、先ほど伊原さんが東京都の場合でとおっしゃったようなこともやっていらっしゃるのですが、おそらく通級の先生たちが一番力を入れたいと思っておられるのは、ご本人の自己理解・自己決定・権利擁護。自分はどうしたいか。どういう配慮を受けながら、次のステップに進みたいかということを自分で考えていくための力をつけていくことをとても大切にしておられます。初期に心理評価、心理アセスメントをして、ご本人と親御さんに結果を伝えます。ご本人が結果を知り、自分の得意・不得意を知り、それを生かして日々の学習やいろいろな活動に生かしていく。良いところ・強いところを使い、弱いところは工夫をしながらやっていく。そういう経験を通級の先生に伴走してもらって積むことで、自分の特性をポジティブに受け止めながら次の進路を考えていく。このような支援に力を割いてやっていらっしゃると思います。  今年度から巡回指導が始まりましたが、さまざまな学校のニーズを掘り起こし、本人に対して自己理解支援をしながら、在籍校の高校の先生たちの意識や考え方にも働きかけていく。ご本人中心の考え方で支援されている様子が見受けられます。 (渡部委員長)情報提供ありがとうございます。 (池田委員)こういう新しい試みを始めたときの成果とか効果というのは人数で測るのか、その辺がすみません、私は分かっていない部分があって、人数以外にもこういう効果があったという質的な部分とか、特にこういう新しい試みだとどうやって取っていらっしゃるか教えていただくことはできますでしょうか。 (上ノ町係長)対、人の話なので、これを受けたから就職がうまくいったとか進学がうまくいったというデータの取り方はちょっと難しいと思いますが、おっしゃるとおり人数だけで測れるものではないと思うのです。なので、定性的な部分になってしまいますが、利用者の意見やアンケートなどを取ったり、こういうところがよかったという声をもらいながら、どういう形で進めていくのがいいのか、こちらも模索していかなければいけないと考えています。 (渡部委員長)池田委員、よろしいですか。ぜひその効果検証のあたりもお願いできたらと思います。それでは、この議題については閉じさせていただいて、次のオに移りたいと思います。 オ 「世界自閉症啓発デー in 横浜 2024」について【資料6】 (渡部委員長)啓発デーについて事務局からご説明をお願いしてよろしいですか。 (野中係長)特別教育支援課担当係長の野中でございます。資料6、世界自閉症啓発デーのご報告について説明させていただきます。資料は、今年の令和6年3月に発表したときの記者発表資料を使って説明させていただきます。毎年4月2日は世界自閉症啓発デーとなっております。横浜市におきましても、この週間の4月2日から8日までは発達障害の啓発週間になっておりますけれども、横浜市でもこの期間に取組を推進するために、関連のイベントを例年実施しております。  記者発表資料の中段にあります水色の最初の帯のところ「LIGHT IT UP BLUE 2024 ― 横浜を青く照らす ―」についてのご報告でございます。例年、世界自閉症啓発デーのシンボルカラーであるブルーの光で横浜市内の観光スポットなどのライトアップを行っております。令和6年度、今年は新たに横浜スタジアムがライトアップの場所として加わりました。また、改修工事を終えた横浜市開港記念会館でも3年ぶりにライトアップを実施いたしました。日時は6年4月2日から8日までで、点灯場所につきましては資料記載のとおりでございます。  続きましてその下、横浜市立図書館におけるパネル展でございます。「みんなで知ろう発達障害」というテーマで、各図書館におきまして発達障害に関する書籍を集めて展示・貸出を行いました。日時・会場は記載のとおりでございます。  続きましてその下、ブルーフラッグの展示についてでございます。横浜市内4カ所の地域療育センターと横浜市総合リハビリテーションセンターに通う子供たちが作成したブルーフラッグを各会場に展示いたしました。日時・会場につきましては、トレッサ横浜ですとか市庁舎、西武東戸塚のショッピングセンター等で実施しております。  続きまして、「世界自閉症啓発デーをきっかけに、自閉症や発達障害の理解をもっと深めませんか?」というテーマで作成した動画を掲載し、こちらのQRコードから飛べるようになっております。こちらのほうでも啓発が図られたものと思っております。  次についている「世界自閉症啓発デー in 横浜 2024」と書かれた青が強いチラシにつきましては、同様の内容が記載されております。今年度もこの啓発デーのイベントを実施するために準備を進めておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。説明については以上でございます。 (渡部委員長)ありがとうございました。ご質問・ご意見いかがでしょうか。 (平下委員)横浜市自閉症協会です。いつもご協力いただいてありがとうございます。毎年ライトアップ施設が増えていって、特に今年は横浜スタジアムが加わって本当にすばらしいと思いました。交渉の努力をしてくださった皆様に感謝申し上げます。ハマスタや日産スタジアムは、地域密着のスポーツで多くの市民の方にも愛されていますので、ぜひ本拠地のチームもご協力いただけたりしたら、より大きなムーブメントになっていいのではないかと思っています。あと、ブルーフラッグの展示は今回、ショッピングセンターとかも増えて、一般の方に見ていただける機会があってよかったと思っています。それから、動画でちょっとご提案なのですが、企業向けに啓発ビデオをつくっていただけたらいいなと、個人的にというか会として思っています。といいますのは、障害者差別解消法が改正されて、今年の4月から民間事業者にも合理的配慮が義務化されました。このことを企業向けにさらに周知していただいて、職場で自閉症の社員の方にどのような配慮が必要なのか、文章ではなかなか分かりにくいと思うので、動画で自閉症の特性理解につながる内容とか、具体的な方策などについてご紹介していただけたらとてもいいなと思っております。まだまだ就労現場では自閉症の人の働きづらさは大きいようで、会員の中でも、特例子会社のようなところでさえ不適切な対応があったりするなどの声が寄せられています。自閉症の方が安心して仕事ができて、その能力をいかんなく発揮できるように、企業向けの啓発のお手伝いにご協力いただけますととてもありがたいと思っております。要望を思いっきり言いました。以上です。 (渡部委員長)これはいいですか。 (平下委員)では、すみません、引き続きですが、日本自閉症協会全国大会のチラシを先ほどお配りしました。日本自閉症協会では2年に1回、全国大会というのを開いていまして、今回は神奈川県の、神奈川県自閉症協会、横浜市自閉症協会、川崎市自閉症協会の3つと日本自閉症協会の本部が主催で行います。今回は英国自閉症協会から、CEOのキャロライン・スティーブンスさんをお招きしまして2日間お話を伺うことになっております。英国自閉症協会は、自閉症の学校をつくったり、政治のための多くの施設や事業を行っています。政府への政策要望や行政との協働などにより、自閉症の人が受け入れられて人権が配慮される社会を目指しています。今回は、2日あるのですが、1日目は式典に引き続き行政説明、NASのCEOの講演、本田秀夫先生の講演もあります。2日目はNASの講演に引き続きまして内山登紀夫先生の講演会、それから、キャロラインさん、本田先生、内山先生のパネルディスカッションで言いたい放題をしていただきます。会場は鎌倉芸術館で、何と1500人も入れますので、ぜひ皆さん来てください。お願いします。11月1日から申込みスタートです。今回のチラシには詳しいことがまだ載せられていませんが、10月には申込方法を書いたチラシをお配りできると思います。また、大会のボランティアをしてくださる方を募集しておりますので、大学や支援機関などで、もし学生さんなどでやってくれそうな方がいたら、ぜひ紹介していただけるとありがたいです。以上です。 (渡部委員長)啓発デーに対する感謝と、あと、動画作成についての提案がありましたが、これは今回提案があったということで受け止めていただけるといいかなと思っておりますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。  それでは、以上で議題については終了となりますが、全体を通していかがでしょうか。すみません、ぎりぎりのお時間になって大変恐縮ですが、以上で本日の議題を終了させていただきたいと思います。ご協力ありがとうございました。それでは、事務局からお願いいたします。 その他 (大野係長)渡部委員長、ありがとうございました。委員の皆様、本日は大変貴重なご意見・ご議論いただきありがとうございました。  最後に事務連絡を1点だけ。次回、第60回の委員会についてでございますが、先ほど資料1でも記載がございましたとおり、来年、年明けまして7年2月5日、お時間は今回と同じ時間で予定しております。また日にちが近づきましたら、改めてお知らせ等ご連絡させていただきます。以上をもちまして本日の委員会を終了いたします。どうもありがとうございました。 資  料 ・ 特記事項 1 資料 ・資料1:令和6年度 横浜市発達障害検討委員会の検討内容について ・資料2:発達障害者等及び家族等への支援体制の確保に係る取組について ・資料3:地域療育センターにおける事業の実施について ・資料4:学齢後期障害児支援事業の実施について ・資料5:横浜市立高等学校における「通級による指導」について ・資料6:記者発表資料「世界自閉症啓発デー in 横浜2024」 2 特記事項 ・次回、第60回の検討委員会は、年明けの2月5日を予定。詳細は別途連絡。